この映画はクレヨンしんちゃんの劇場版第1作目の作品です。
私も一通りしんちゃんの映画を見ましたがその時代の子供向けの映画にしては凄く凝っている内容だと率直に感じました。
今回はそんなしんちゃんの映画の第一弾の作品についての考察や感想などをお話していきたいと思います。
なお、一部作品内の結末に触れています。
アクション仮面VSハイグレ魔王|あらすじ
子供たちに人気のヒーロー・アクション仮面の撮影中に原因不明の爆発が起こるところからストーリーが始まります。
爆発が起こるなんて、スタートからすごい展開ですよね!
そんな混乱の最中に、何者かが”アクションストーン”を持ち去ってしまうのです。
そのころ、夏休みに入ったしんちゃんたちの間ではアクション仮面カードが流行っていました。
しんちゃんとみさえは買い物の途中、駄菓子屋を見つけアクション仮面カードを買ったところ、なんと偶然にも幻のレアカードNo.99のゴールドカードを引き当てちゃうのです。
そしてその数日後、家族で海に出かけた野原一家ですが、そこで海辺に建っていたアクション仮面ハウスでアトラクションを体験します。
その体験をした次の日から、しんちゃん一家は、非現実な出来事に直面してしまうのです。
なんとその世界は、アクション仮面が実在していて、住んでいる世界のほかにもう一つ地球が存在しているというのです。
撮影スタジオで起きた事故も、実はハイグレ魔王という宇宙から来た存在が起こしたものだったのです。
アクション仮面はその事故の際にハイグレ魔王にアクションストーンを奪われてしまい、力を封じられてしまっていたということなのです。
さて、アクション仮面は本来の力を取り戻し、地球の平和を取り戻すことができるのでしょうか。
アクション仮面はしんちゃんの中ではヒーロー的存在です。
そんな5歳児が憧れるヒーロー像をどのようなストーリーで確立していくのか、そんな点が見どころの一つです。
アクション仮面VSハイグレ魔王|劇場版一作目ゆえに原点のギャグ
『クレヨンしんちゃん アクション仮面VSハイグレ魔王』は1993年に公開されたクレヨンしんちゃんの劇場版第1作目です。
年代も、わりと昔なのでギャグも今とはテイストが違うのですが、そこがまたいいのです!
そもそもハイグレ魔王の恰好が女子体操選手のようなレオタードのニューハーフキャラという中々濃いラスボスなのです(笑)。
ちなみに正式名称は「ハイレグ」ですがしんちゃんが言い間違えて「ハイグレ」となったんですよ。
さすが、しんちゃん!この言い間違いが、可愛いというか、笑える言い間違いでとてもいいですよね。
彼ら、敵の持つ武器のレーザービームを浴びると男女関係なくハイレグ姿にされ、ビートたけしさんのギャグ「コマネチ」のような動きをしながら「ハイグレ ハイグレ」と言うようになってしまう姿は、まさにクレヨンしんちゃんならではのギャグシーン。
すごく絵づらを想像するとシュールですよね。
アクション仮面VSハイグレ魔王|ほのぼのから非日常へと変わる展開
この映画のプロローグはアクション仮面の撮影から始まるため、アクション仮面は特撮ヒーローであるということが強調されています。
そして夏休みに入っていたしんちゃんたちの日常パートへと転換します。
アクション仮面カードをかすかべ防衛隊の皆が買いに行き、カードが被ってしまったのを残念がったり、たくさん持っている友達のカードコレクションを見たりする場面です。
野原家のみんなで海に行く途中、渋滞にあってボヤいている場面も普段の家族の様子が展開されているんですよね。
これこそ、これから何かに巻き込まれるということへの対比だと思います。
そもそもしんちゃんがアクション仮面カードの幻のレアカードを引き当てるのも宝くじを当てるような感覚で、ある意味非日常ではありますよね。
そこから体験したアトラクションが「時空移動マシン」というもので、もう一つの地球へ移動していたという展開もSFのようなものです。
そこから怒涛のように非日常のオンパレードでひろし、みさえは適応するのに時間が掛かっていましたが、しんちゃんはさすがと言うべきか順応が早かったです。
ギャグ漫画として生まれたクレヨンしんちゃんですが、劇場版第一作目にしてすでに展開の凄さが伺えます。
アクション仮面VSハイグレ魔王|シロがしゃべることが出来るように!?
そもそもこの映画の中盤以降は非現実なことがたくさん起こっているんですよ。
たとえば、シロが喋るようになったら驚きますよね。
最終決戦前に北春日部博士の発明したスーパー三輪車で空からしんちゃんがハイグレ魔王のアジトに向かうシーンがあります。
それは、ヘルメットのようなものを被ると操縦方法などがわかるというもの。
そのヘルメットを自分ではなく三輪車の前にある籠に入ったシロに被せると一時的に話せるようになったんです。
アジトに向かう道中でハイグレ魔王の部下たちが行く手を阻みます。
スーパー三輪車は一応防御できるように煙幕やターボ機能もあり、意外とハイテクなんです。
追手から逃げるという危機的状況ですがシロとお喋りしているのはとても微笑ましいので、このあたりのシーンは必見です。
アクション仮面VSハイグレ魔王|原作では何巻に?
『クレヨンしんちゃん アクション仮面VSハイグレ魔王』は原作漫画 単行本第6巻に収録されています。
臼井先生による原作と映画の内容では、進行が大まかには一緒ですが、設定に少し違いもあるとのこと。
その違いは実際に原作版を見て比べてみると良いかもしれませんね。
ちなみに1994年に後日談として「クレヨンしんちゃん魔王の逆襲」というタイトルでスーパーファミコンのゲームが発売されました。
内容はすごく気になりますが、今スーパーファミコンの機械とそのゲームが手に入るか難しいですよね。
スーパーファミコンだとテレビがそれに対応していないので厳しいかもしれませんね。
でも、映画公開の翌年に"魔王の逆襲"というタイトルのゲームが出るなんて、劇場版一作目からクレヨンしんちゃんに人気があったということがわかるエピソードですね。
アクション仮面VSハイグレ魔王|感想まとめ
今回はアクション仮面VSハイグレ魔王についてお話していきましたが、私の感想も加えつつ、まとめますと・・・
初期のしんちゃんのギャグテイストが豊富でちょっとしたやり取りも昔ながらの魅力があります。
単純に昔の絵のタッチも懐かしさを感じられて好きです。
第一作品目でアクション仮面をフィーチャーするという点で臼井先生のこだわりを感じられて、しんちゃんとの掛け合いも新鮮で見所です。
何より中盤からの非日常&SF設定が怒涛のオンパレードで内容が普通に面白いです。
ぜひ!一度見てみることをおススメします。
ここまで見ていただき、ありがとうございました。