2004年公開のクレヨンしんちゃんの映画『嵐を呼ぶ!夕陽のカスカベボーイズ』は、少し異彩を放っている作品ですよね。
カスカベボーイズは怖い!なんて声もあるほどです。
たしかに、設定を聞くと少し怖いと感じる要素もありますが、やっぱりクレしん映画らしくコメディ要素もありの内容なんです。
では、どの部分が怖いと言われるのでしょう?
今回は、夕陽のカスカベボーイズが怖いと感じる要素についてお話していきたいと思います。
※一部作品のネタバレが含まれます。
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クレヨンしんちゃん『嵐を呼ぶ!夕陽のカスカベボーイズ』あらすじ
ある日、いつものようにカスカベ防衛隊の5人で遊んでいるとしんのすけたちは知らない道を通り、古い映画館に迷い込みます。
好奇心から館内を探索していた5人ですが館内には誰もいないはずなのに映写機が動いています。
5人でスクリーンを見つめている最中、しんのすけが途中で席を外し、戻ってみると残りの4人が姿を消しています。
先に帰っているのだと思い、自分も家に帰ると残りの4人はまだ帰っていないとのこと。
心配になったしんのすけは家族と共に再度その映画館を訪れ、みんなを探します。
残る場所は例のスクリーン、突然スクリーンに西部劇の映像が流れたかと思うと彼らの目に広がるのは一面の荒野でした。
色んな時代にタイムスリップという要素は登場しているものの「西部劇」の世界は初めてなんです。
カスカベ防衛隊のみんなが遊んでいる場面から始まります。
鬼ごっこをしてあそんでいるのですが、設定付きの鬼ごっこで、地味にそこも見ていて面白いです。
みんなが映画館に迷い込む所からがメインなので鬼ごっこは恐らく冒頭の5分くらい。
でも、そこもある意味見どころなので注目して欲しいです。
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夕陽のカスカベボーイズのどこが怖い?記憶がなくなること
この作品は序盤から西部劇の世界に迷い込み、特定の条件を満たさないと元の世界には戻れないという要素があります。
ですがその世界で実は夜にならないので日付の感覚がなく、またそこで過ごしていく内に元の世界の記憶が少しずつ薄れていってしまうんです。
それは時が進んでいなくて、ずっと同じ時間を過ごしているからと思われます。
野原家が慣れない土地で困っている場面でマイクというおじさんとつばきちゃんが助けてくれてその事実を教えてくれました。
その設定自体はさほど怖くないと感じるのですが、その世界での生活にも慣れたことに、しんのすけがひまわりに話し掛けると幽霊でも見たかのようなリアクションで後ずさりするんです。
「ひま、オラのこと忘れちゃったの?」
と、つぶやくしんのすけはここで初めてこの世界の怖さに気がついたのだと感じました。
迷い込んでしまった当初は野原家も「記憶をなくしていく」という話を半信半疑くらいの気持ちで聞いていたのが、過ごして行き時間が長くなるにつれて、その事実を痛感することになりました。
このやり取りの前に、カスカベ防衛隊のメンバー各々と一応再会を果たします。
ところが、ボーちゃん以外はカスカベでの記憶を半分くらい忘れているような状態でした。
かろうじて、ボーちゃんはまだ記憶がほとんど残っている状態だったのでしんのすけと共にカスカベに戻れるまで記憶を忘れないようにお互いに声を掛けていこうと約束。
忘れないように必死に2人が色々思い出していく描写は記憶を忘れまいとあらがっているような感じでいじらしく思えます。
それだけ西部劇の世界に馴染むということはカスカベを忘れることに直結するので怖いなと感じます。
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夕陽のカスカベボーイズのどこが怖い?ジャスティスシティの知事
しんのすけたちが迷い込んだ西部劇の世界は後々「ジャスティスシティ」という名前だと判明します。
そこを治めているのが知事と町の人から恐れられているジャスティスという年配の男です。
知事と聞くと街のために政策を考えて…
などと、名前からして正義のために熱いカンジの人を想像してしまうのですが実際は真逆です。
自分に逆らうものには容赦はせず、恐怖で街の住人が自分に逆らわないようにしています。
例えば、
毎日いろんな発明をしている老人を、ジャスティスの配下のいわば保安官のような立ち位置の人たちが彼の足をロープで縛り、馬で引き摺り回して他の町の人に見せ締めにしています。
当時の西部劇や戦国時代などでも罪人を見せしめにすることで抑止力にすることがありました。
でもそれをやはり目の当たりにすると恐怖を感じますよね。
みさえが酒場でギターの弾き語りをしているシーンがあります。
ほかの客はみさえの歌のヒドさに怒り心頭のなか、たまたま知事がその酒場を訪れます。
周りの客も知事が歌のヒドさに何をするか分からないとヒヤヒヤしている場面も印象的。
それだけ知事が恐れられているということが見て取れますよね。
そんな独裁政治をするくらいのジャスティス。
性格も悪くこんな人が治める街で、いかに知事や保安官に目をつけられないように過ごすのがポイントのようです。
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夕陽のカスカベボーイズのどこが怖い?時が止まっているという世界
一つ目の記憶がだんだんなくなっていくという点とは対照的に、ジャスティスシティの時間は動いてはいません。
なので夜になることはなくずっと太陽も止まっていたままです。
町にいる時間感覚はまったくないのに、もとの街にいた記憶だけが消えていく。
そのためジャスティスシティの一部になっていくことに違和感を覚えなくなるということです。
この点が一番怖いなと個人的には思います。
記憶がなくなるコトについて、最初は「あれ、この人の名前なんだっけ」と忘れていることに関して自覚がありますよね。
でも、時が止まっているのに街にいる時間が長くなるということは、いつから自分はジャスティスシティにいるのか分かっていないことになります。
それってとても怖いですよね。
ともすれば自分は、もともとの街の住民なのか春日部から来た人間なのかも区別がつかなくなり、みんな仲良くジャスティスシティの中で知事に支配されるんです。
ってことは、春日部から来たしんのすけたちと、出会った中年の男性マイクも同じような境遇だったたってこと。
つばきちゃんも同じなのだろうという先入観も生まれてしまいました。
最終的にふたを開けてみると、つばきちゃんは映画の住民だったということに気が付きます。
一緒に春日部に帰るしんのすけの夢は叶いませんでした。
スゴく切ない映画の設定でもあり、個人的に思う一番怖い設定だと感じました。
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夕陽のカスカベボーイズは怖い作品?推しポイント カスカベボーイズのスーパーヒーロー感
私の中のカスカベボーイズの推しポイントを1つご紹介しましょう。
それは、カスカベ防衛隊のメンバーがジャスティスを倒すためにスーパーパワーを手に入れて戦い、とある目的地にみんなで向かうところです。
途中から映画の中の仕組みを知り、事態が大きく動くところもあってそれも止まっていた物語が本当に展開していくような感じがして好きです。
この映画は西部劇という設定でありながらどこかRPGのような要素も含まれていると感じます。
オケガワというジャスティスの部下たちにいつも罰則を与えられている老人がいます。
彼が罰則を受けているのは発明品を毎日しているからです。
その発明の一つである赤いパンツを装着したカスカベ防衛隊の5人はジャスティスを打ち倒すヒーローとなるのです。
具体的には空が飛べるようになったりチカラが超人的になります。
格好もなぜかファンキーな個性的な感じにフォルムチェンジしそれも面白い。
チカラが強くなってもカスカベボーイズのみんなは、あくまで敵を制圧するくらいなので見ていても安心出来ます。
あとは単純に戦いみんながとても頼もしくて、何となく結末が分かっていても応援したくなります。
個々に戦う場面もありますがやはり5人で力を合わせてジャスティスや保安官たちに立ち向かう姿是非注目して欲しいポイントの1つです。
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夕陽のカスカベボーイズは怖い作品?推しポイント つばきちゃんとしんのすけのやり取り
夕陽のカスカベボーイズの1番の見どころと言っても過言ではない、一番推したいのがしんのすけとつばきちゃんのやり取りです。
しんのすけは基本的女子大生以上のキレイなお姉さんが大好きです。
みなさんご存知かもしれませんがななこおねえさんが特に大好きですよね。
一方、つばきちゃんは推定13~14歳くらいの少女です。
しんのすけのストライクゾーン?からは外れているのですが、作中で何と告白とも取れることを言っちゃうのです。
つばきちゃんもマンザラではない様子で告白を受けていました。
出会ってから仲良くなるまでのやり取りを見ていても何とも微笑ましい様子なんです。
ボーちゃんとのやり取りの中で、しんのすけ自身が無意識につばきちゃんの話ばかりするのをボーちゃんに指摘されていました。
自分自身もつばきちゃんのことが好きなことを意識していなかった様子。
そして、しんのすけがいわゆる「お姉さん」以外にときめくのが珍しいのもあるかもしれません。
最後、元の世界に戻れたとき、必死につばきちゃんを探していたしんのすけ。
つばきちゃんがいないことが分かると、また映画の世界に戻ると言っていた点からも、本気で好きになっていた節もあるのかなと伺えますよね。
大好きな、ななこおねえさんとつばきちゃんを天びんにかけて本気でアタフタしているしんのすけも見ていて可愛いので是非見て欲しい点です。
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夕陽のカスカベボーイズは怖い作品?推しポイント 主題歌がエモい
この映画の主題歌もあまり知られてないかもしれませんがスゴく良いんです。
歌っているのはNO PLANというテレビ朝日系のテレビ番組内村プロデュースから生まれたユニットで芸人内村光良さん、さま~ずの2人、TIMの2人、ふかわりょうさんが歌っています。
作中でチラッとですがゲスト出演していて、しんのすけとも絡んでいます。
・息子から見たお父さんを歌っている
・息子目線の歌詞もあり
・大人になってから聞くと胸に刺さる部分が多い
こんな点から、私はとても好きです。
曲名の「○あげよう」も最初よく分かりませんでしたが、歌を聞くと納得が行きますよ。
なんとなく、しんのすけとひろしの光景も想像するとより泣けてしまうような歌です。
歌がプロのように上手いワケではないのです。
だからこそストレートな内容の歌詞と曲調がマッチしていて、クレしん映画の中でも心に残っている主題歌の一つなんですよね。
エンドロールの映像もつばきちゃんとしんのすけが曲に合わせて踊っていたり2人の世界にいるような映像です。
実際、つばきちゃんは映画の登場人物ですので、一緒に春日部に帰るというしんのすけとの約束は叶えられませんでした。
が、もしも一緒に帰っていたらの世界線のような気がしてうるっとしてしまいます。
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夕陽のカスカベボーイズは怖い作品?まとめ
今回は映画夕陽のカスカベボーイズは怖い作品なのかについてお話ししていきました!
まとめますと…
・映画の中にいると記憶がなくなること
・ジャスティスシティの知事の存在
・時が止まっているという世界
・カスカベボーイズのスーパーヒーロ感
・つばきちゃんとしんのすけのやり取り
・主題歌がエモい
あらためて文字にしてみると、怖い点も多数あったのですがそれと同じくらい見て欲しいポイントも多い作品ってことに気づきました。
この映画は見ていてハラハラドキドキもするので気になった方はぜひ実際に見てくださいね。
ここまで見ていただき、ありがとうございます。
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